『自分の身体が嫌い……自分の性器が嫌い……』
『異性の身体になりたい……異性の性器が欲しい……』
あれ?
どうして同じ事を、言い方を変えて2度言っているの?
と思ってしまう方が意外と多いのかもしれません。
実はコレ、ニュアンスが結構違うのです。
今回は、自分の肉体嫌悪と異性への同化願望の違いについて、考えてみます。
目次
自分の肉体嫌悪とは
ここでは、トランスジェンダーに多い傾向の肉体嫌悪ついてをお話していきます。
まずは自認している性別とは逆の性別の特徴についての、純粋な嫌悪です。
男性と認識しているのに、身体にはバストが出てきたり生理が起ったりする女性としての特徴に嫌悪するFtM(Female to Male)さん。
女性と認識しているのに、身体には男性器が付いていて喉仏も出てきて声も低くなりヒゲや体毛が濃くなっていくことに嫌悪するMtF(Male to Female)さん。
FtMさんは、胸の膨らみを隠そうとして晒しを巻いたり、声を低くしようと無理な発声をして声を嗄してしまったり。
MtFさんは、ペニスを切り落とそうと自傷行為をしたり、喉仏を引っ込めようと押し込んで声帯を傷付けてしまったり。
心と身体の性別ギャップの、目に見える部分について嫌悪することが多くあります。
異性への同化願望とは
ひとまず、肉体性別が男性の方の場合で話をしていきましょう。
言葉尻を取るようなことでもあるのですが、時々このような言い方をしている人に出会います。
『早く女性になりたい!』
これを、どういう意味合いで言っているのかで、かなりの違いがあります。
(A)社会的にも気持ち的にも女性として生活をしたい
(B)理想とする女性の見た目になりたい
Aだけの場合もあれば、Bだけの場合もありますし、AとBの両方という場合もあります。
Aが含まれていると、もしかしたらトランスジェンダーである可能性があります。
でもBだけだと、異性への同化願望かもしれません。
例えば、このようなことを思っているαさんとβさんがいるとしましょう。
《αさんの場合》
男性として生まれてきてしまったけれど、本当の自分は女性なのだから、女性としての性役割(社会活動を女性として行うこと)を獲得したい。女性として普通に女性で生活したい。そのためには、戸籍の性別も変更したほうが絶対にスムーズに進むはず。
性器嫌悪はそれほどないけれど、今の法律では性器を希望する性別に模したものにするとか生殖機能を喪失するという条件があるから、SRSを受けよう。
《βさんの場合》
男性として生まれてきてしまったけれど、女性の身体はなんて素敵なんだろう。バストやウエスト、そしてヒップへの曲線が芸術的な美しさだし、艶やかな髪も素敵だし、何よりも笑顔とか可愛いし。だから自分は、自分として憧れの女性のような身体にしたい。
性器嫌悪はそれほどないけれど、でも完璧を求めるならば男性器は不要だし邪魔だから女性器に変えてしまいたい。よし、SRSを受けよう。
二人の共通点は?
・男性として生まれてきた
・SRSを受ける決意
です。
こうやってまとめてしまうと、二人とも同じ境遇のトランスジェンダー?性同一性障害?となってしまいますよね。
ここまできて解説は不要だとは思いますが、一応念のため。
αさんは、トランスジェンダー故の自分の肉体嫌悪がある方で、
一方のβさんは、異性への同化願望がメインとなっている方です。
性同一性障害の診断はどうなるの?
ジェンダークリニック(精神科の中でも特にジェンダーについての知識や見識をきちんとお持ちの先生が開いているメンタルクリニック)で診察を受けた際、αさんもβさんも嘘偽り無く自分の気持ちや考えをきちんと述べて診察を受けたとするのならば、
αさんには性同一性障害の診断が下る可能性がありますが、
βさんには性同一性障害の診断は下だらないかと思います。もしかすると『自己女性化愛好症』と告げられるかもしれません。
自己女性化愛好症(オートガイネフィリア)
これはまさにβさんのように、
オートガイネフィリア(英:Autogynephilia)とは、男性が自身を女性だと思うことにより性的興奮する性嗜好のパラフィリアの一種。(注:精神医学の世界ではオートガイネフィリアは性同一性障害に似ているがその範疇には含まない、注意深く鑑別すべき精神医学的概念とされる)
Wikipediaの『オートガイネフィリア』より引用
(中略)
すなわち「女性としての自分を愛する」という意味である。日本語では「自己女性化愛好症」「自己女性化偏愛性倒錯症」などで、定訳はまだない。
というような方を指す精神医学の言葉です。
ちなみにオートガイネフィリアはAutogynephiliaから、AGと略されることがあります。
性同一性障害が、Gender Identity Disorderの頭文字から、GIDと略されているのはよく知られていますよね。
ちなみにGDについて少しだけ
なお性同一性障害(GID)という単語はこれからどんどん使われなくなっていく可能性があります。
これからは、
性別違和=Gender Dysphoria=GD
という単語が使われていくようになるかもしれません。
ただ、日本ではGIDという単語で広く浸透していますから、諸外国ほどGDが広がっていくことはないのではないかなと思います。
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