日本語って難しいなと思うのです。
日本語の難しさの一つに、意味が似ているようで全然違う言葉がゴロゴロしていることが挙げられます。
今回は、一風変わったコラムにしてみようと思って書き始めました。
『概念』と『観念』と『理念』
を、性別から考えてみようと思います。
目次
概念の性別
概念とは、物事を判断するための決まりのようなものです。
胎児のときエコー検査で男性器らしきものが股間にあると、お医者さんから「男の子かもしれないですねー」などと出生前に性別の判定をされることがこの頃は当たり前にようになりました。
そして生まれてきたとき、股間の性器を見て性別が確定されます。
その性別が戸籍に記載され、その子はその性別で生きていくことになります。
戸籍に記載される性別は外性器判断ですから、概念です。
付いているから男性。
付いていないから女性。
性別は、付いているかいないかで男性か女性かが決まる2つに1つしかないという、概念です。
観念の性別
観念とは、自分自身の中にある考えや気持ち、思想などです。
人間には自我があります。
なので、戸籍性別は男性に分類された男性器を持つ人が、自分は女性なのではないか?と疑問を抱いたり、女性である!と確信したりすると、概念とは逆の観念を持っているということになります。
付いているから男性と分類されたのに、自分は本当は女性ではないのだろうか?
なぜ?
なぜと言われても、そう感じるから。なんか、男性ではない感じ。女性だと考えると、しっくりくるから。
他人から見るとふわっとしていて儚げですが、本人からするとそうであると考えると収まりが良いのです。
性別は、自分の中に存在している気持ちや考え方とか居心地の良さで判断する、観念です。
理念の性別
理念とは、この物事に対してはこうあるべきだという、根本的な考え方のことです。
概念と観念がイコールであると、物事が楽に捉えられることが多いです。
例えば、
『男の子なんだから泣くんじゃない!』
『女の子なんだから可愛らしくしなさい!』
といった、『性別のらしさ問題』です。
これは、理念です。
概念と観念がイコールであると、理念は受け入れやすくなります。場合によっては、自然と受け入れていることもあるでしょう。
性別は、身体機能や社会通念、慣習、風習などから形作られた理想型が存在しているので、理念によって縛られていることが多いのです。
概念と観念と理念から、性別を考えてみると?
世界の130人に1人、性別の概念と観念がノットイコールになっている人がいると言われています。
その人は、理念に苦しむことが極端に多い生き方をしている可能性があるのです。
・男の子なのにお人形さん遊びが好きで、親から「外で遊びなさい!」と怒られる。
・女の子なのにミニ四駆やラジコンが好きで、親からお人形さんを買い与えられ遊び方に困ってしまう。
本人は観念で遊んでいるのに、周囲が概念と異なることを良しとせず、理念が押し付けられている様子です。
その子が成長し、自分の意見をきちんと言えるようになったときに、または大人になったときに、このような言い方をすることがあります。
・男の子だけれどお人形さん遊びが好きで、親からいつも怒られていた。
・女の子だけれどミニ四駆でレースするのが好きだったのに、親からはいつもいらない物を買い与えられていた。
性別の概念と観念が一致していないと、理念という当たり前が当たり前ではなくなってしまうので、周りから変な目でみられてしまったり、それを理由に虐められてしまったり、やりたくもない習い事を無理矢理やらされてしまったりといった、強いストレスに苛まれる生き方を余儀なくされてしまうのです。
このコラムのキーワードは?
このコラムは、何について語っているのでしょうか?
はい、その通り。
『トランスジェンダー』
について、です。
概念は性別欄に記載する性別(セックス)で、観念は性自認(ジェンダー)です。
トランスジェンダーって何?
という質問に対して、どれだけの言葉を用いたら誰もが納得のいく説明をできるのでしょうか。
『心と身体の性別が一致しない人』
模範解答です。
でも、心と身体が性別が一致しないって、どういうことなんだろう?
世の中では130人に129人が一致しているとのことなので、そんな模範解答をしたところで、
「あ……う、うん……そう、だね……」
となってしまっても不思議ではありません。
性別には、男性と女性しか存在しない。
だから性別は二元論である。
性別には、男性と女性の他にも、無性や中性、不明も存在している。
だから性別はグラデーションである。
どちらの言い方も、間違っていません。
ただ、性別についても概念だけで話している人と観念だけで話している人が同じテーブルに着いていては、いつまで経ってもそれぞれを理解することは不可能でしょう。セックス(概念)とジェンダー(観念)は別モノという前提で話をしなければならないからです。
男性は女性を好きになり、女性は男性を好きになるものだ!
男性でも男性を好きになる人もいるし、女性でも女性を好きになる人もいる!
男性でも女性でも、両方好きになる人だっている!
男性でも女性でも中性でも無性別でも、どんな性別の人でも好きになる人もいるよ!
ヘテロセクシャル
ゲイ・レズビアン
バイセクシャル
パンセクシャル
ところで……
イチゴって果物ですか?野菜ですか?(笑)
ちなみに、木って何?
木に実るのが果物。
それ以外は野菜らしいです。
ナスは?ナスって木みたいのに成るけど……果物?野菜?
え?木って何?
竹は?竹は木?それとも草?
ほらね。
『木』という『概念』に、どれだけの意味があるのでしょうか?
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